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REACH規則と高懸念物質(SVHC)について

①REACH規則
REACH規則とは、EU欧州連合が人の健康や環境保護のために定めた、化学物質とその使用の管理に関する欧州連合規則のことを言います。欧州連合における規則とは、全ての加盟国に於いて即座に効力を発生する、欧州連合が定める法の中で最も強力なもの一つとされ、その内容は各加盟国の国内法に優先するとされています。
REACHと言う略号は、「Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals (化学物質の登録、評価、認可、及び、制限)」の頭文字を並べたものであり、2007年6月1日に施行されました。REACH規則の実施業務については、欧州化学機関(略称:ECHA)が担当しています。
ECHAがその使用を特に懸念している化学物質を、高懸念物質(SVHC:Substances of Very High Concern)と呼んでいます。

②高懸念物質(SVHC)
高懸念物質は、以下のような性質を持つ物質の中でECHAが特に注視している物質です。

(a) 発がん性カテゴリー1、2(指令67/548/EEC)
(b) 変異原性カテゴリー1、2(指令67/548/EEC)
(c) 生殖・発生毒性カテゴリー1、2(指令67/548/EEC)
(d) PBT(Persistent, Bio-accumulative and Toxic)難分解性、かつ蓄積性、かつ有害性。
(e) vPvB(very Persistent and very Bio-accumulative)難分解性と蓄積性が極めて高い。
(f) 上記以外に人健康や環境に重大な影響が起こりうる科学的な証拠があり、(a)~(e)と同等の懸念を引き起こす物質。 例えば、内分泌かく乱物質等(個別に検討)

SVHCは今後、EU域内での使用に際して特別の認可が必要な「認可対象物質」となり得る候補でもあります。そのためSVHCが掲載されているリストを「高懸念物質候補リスト」と呼びます。2016年2月現在、この候補リストには2008年10月掲載の第一次から最新の第14次掲載分まで168個の物質名が記載されています。

参考例として、SVHCリスト中の第一次と第二次の指定物質リストを以下に示します。

・SVHC一次15物質(2008年10月分)
1 ジクロロコバルト(II)
2 重クロム酸ニナトリウムニ水和物
3 五酸化二ひ素
4 三酸化ひ素
5 ひ酸水素鉛
6 ひ酸トリエチル
7 フタル酸ジブチル
8 フタル酸ビス(2‐エチルヘキシル)(DEHP)
9 フタル酸ベンジルブチル
10 アントラセン
11 ビス(トリブチルスタンニル)オキシド
12 ムスクキシレン (musk xylene)
13 ヘキサブロモシクロドデカン (HBCDD)
14 一部塩化パラフィン(C10-C13) (Short Chain Chlorinated Paraffins)
15 4,4′‐メチレンビスアニリン

・SVHC二次15物質(2010年1月分)
1 2,4-ジニトロトルエ
2 アントラセンオイル
3 アントラセンオイル、アントラセンペースト、軽留分
4 アントラセンオイル、アントラセンペースト、アントラセン留分
5 アントラセンオイル
6 アントラセンオイル、アントラセンペースト
7 フタル酸ジイソブチル
8 アルミノケイ酸、耐火性セラミック繊維
9 ジルコニアアルミノケイ酸、耐火性セラミック繊維
10 クロム酸鉛
11 硫酸モリブデン酸クロム酸鉛、モリブデン赤、C.I ピグメントレッド104
12 黄鉛、C.I ピグメントイエロー34
13 2-クロロエチル
14 高温コールタールピッチ
15 アクリルアミド

③認可対象物質
SVHCの中で有害性が明確と判断された物質は、ECHAによって「認可対象物質」に指定され、より厳格な管理が求められることになります。2016年2月現在、61物質が認可対象物質となっています。

④EUの登録制度
EU域内で生産される、又はEU域内に輸入される化学製品に含まれる化学物質が年間1トン以上の場合、別途指定の物質を除いた全ての化学物質について、REACH規則に基づいてEU域内の製造・輸入業者が欧州化学機関(ECHA)のデータベースに登録しなければなりません。1年間の製造・輸入量が10トン以上の場合には、技術文書に加え、化学物質安全性評価(CSA)の結果をまとめた化学物質安全性報告書(CSR)を作成することが必要です。これらの登録がない場合には、EU内での化学物質の製造・輸入は出来ません。
ただし、その物質がその用途のために既に登録されている場合には、この登録を行う必要はありません。

次に、高懸念物質(SVHC)に指定されている化学物質に関しては、次の条件を両方とも満たす場合には、EU域内の製造・輸入業者に届出義務が発生します。ただし、その物質がその用途のために既に登録されている場合には、届出の必要はありません。条件(a)のみを満たす場合には、川下の使用者に対する情報提供義務が成形品の製造・輸入業者に義務付けられています。

(a) 製造・輸入される成形品中に、SVHCが重量比0.1%以上の濃度で存在する。
(b) SVHCが重量比0.1%を超えて含む製造または輸入されたすべての成形品中の総量が、製造・輸入業者当たり年間で1tを超えている。

認可対象物質については、指定された制限条件内以外での製造、輸入、使用は禁止されています。

⑤対策
自社製品にSVHCがどの程度含まれているか未確認の場合、その製品がEU域内に輸出できない可能性があります。このため、いわゆる環境分析の一種としての製品中の化学物質の含有量測定が不可欠であり、測定機を有する外部業者に測定を依頼するのが一般的です。
詳しい含有量を測定するためには、いわゆる精密分析を必要とする場合が多く、その測定機としては、GC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析)、LC/MS(液体クロマトグラフ質量分析)、IA/MS(イオン付着質量分析)、ICP-AES(プラズマ発光分析)、UV-VIS(紫外・可視分光分析)、GC/FPD(ガスクロマト炎光光度分析)等が使用されています。

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