第四版JIG物質とJGPSSIについて

①JGPSSI
JGPSSIは「グリーン調達調査共通化協議会」の略で、国内の電気・電子機器業界の有志企業により、2001年01月に発足しました。JGPSSIは、電気・電子業界でRoHS指令等の製品に関する環境規制・化学物質規制が強化されてきたことを受け、化学物質調査の対象物質リスト及び調査回答フォーマットを共通化・標準化することで、RoHS指令対応などの化学物質調査にかかる労力を軽減しようという目的でできた組織です。

現在JGPSSIは、従来の調査共通化ガイドランに替わってJIG(ジョイント・インダストリー・ガイドラインの略で、読み方は「ジグ」)を導入しています。JIGとは、JGPSSI、EIA(米国電子工業会)、EICTA(欧州情報通信技術製造者協会)の共同作業で作成された電気・電子機器製品に関する含有化学物質調査のガイドラインであり、JGPSSIとEIA承認の上で発行されました。JIGには、含有化学物質調査対象の化学物質情報はもちろんのこと、情報開示を必要とする濃度(閾値:しきい値)や現行法によるレベル分けされた物質リストなどが掲載されています。

JGPSSIでは、化学物質調査におけるフォーマットをExcelファイルで用意しています。電気・電子業界での共通化を目指し、ガイドライン(JIG)を導入しフォーマットも用意しているのですが、なかなか業界内でも浸透していないのが現状です。なお、2016年現在、JGPSSIのホームページは消去されています。ネット上では、同協議会が2014年に解散したとの情報も散見されるため、別途確認が必要と思われます。

②第4版JIG物質
2005年4月に公表されたJIG第1版(JIG-101 Ed 1.0)に続き、2009年4月に第2版(JIG-101 Ed 2.0)が発行されました。第2版は、DEGITALEUROPE(旧EICTA)の承認を含め、CEA(全米家電協会)、IPC(米国プリント回路協会)、ITI(米国情報技術産業協議会)、JEDEC(米国半導体技術協会)、TIA(米国電気通信工業会)の連名での発行となりました。現在は第4版(JIG-101 Ed 4.0)まで発行されています。

JIG第2版で従来のレベル A、レベルB による物質選定基準の抜本的見直しが行われ、最新の法規制情報などから三つの選定基準として、1-R(現行法規制対象)、2-A(評価対象)そして3-I(報告対象)に整理されました。この結果、第4版では、合計50 種類の物質カテゴリーが改めて選定されています。


1-R:法規制(44物質)

1 アスベスト類  Asbestos NIOSH9000
2 一部の芳香族アミンを生成するアゾ染料・顔料 Azocolourants and azodyes which form certain aromatic amines LFGB82.02.2~4
3 カドミウム/カドミウム化合物 Cadmium/cadmium compounds IEC 62321
4 六価クロム化合物 Chromium VI compounds IEC 62321
5 塩化コバルト(CoCl2) Cobalt dichloride(CoCl2)
6 五酸化二ヒ素 Diarsenic pentoxide US EPA 3052
7 三酸化二ヒ素 Diarsenic trioxide US EPA 3052
8 ジブチルスズ化合物(DBT) Dibutytin compounds(DBT) EN ISO17353:2004
9 ジオクチルスズ化合物(DOT) Dioctyltin compounds(DOT) EN ISO17353:2004
10 ジメチルフマレート(フマル酸ジメチル)  Dimethyl fumarate US EPA 3550C
11 フッ素系温室効果ガス(PFC,SF6,HFC)  Fluorinated greenhouse gases(PFC,SF6,HFC) US EPA 5021
12 ホルムアルデヒド Formaldehyde EN 120
13 ヘキサブロモシクロドデカン(HBCDD) 及びすべての主要ジアステレオ異性体 Hexabromocyclododecane(HBCDD)and all major diastereoisomers US EPA 8270D
14 鉛/鉛化合物 Lead/leadcompounds IEC 62321
15 クロム酸鉛 Lead chromate
16 硫酸モリブデン酸クロム酸鉛 Lead chromate molybdate sulphate red(C.I.Pigment Red 104)
17 ピグメントイエロー 34 Lead sulfochromate yellow(C.I.Pigment Yellow 34)
18 水銀/水銀化合物 Mercury/mercury compounds IEC 62321
19 ニッケル Nickel EN 1811
20 オゾン層破壊物質 Ozone depleting substances US IPA 5021
21 過塩素酸塩 Perchlorates US EPA331.0:2005
22 パーフルオロオクタンスルフォン酸塩(PFOS) Perfluorooctane sulfonate(PFOS) US EPA 3540C
23 2-(2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4、6-ジ-tert-ブチルフェノール Phenol,2-(2H-benzotriazol-2-yl)-4,6-bis(1,1-dimethylethyl) US EPA 3540C
27 フタル酸ジイソブチル(DIBP) Diisobutyl phthalate(DIBP) EN 14375
28 フタル酸エステル類 グループ1 (BBP,DBP,DEHP) Selected Phthalates Group1 (BBP,DBP,DEHP) EN 14376
29 フタル酸エステル類 グループ2 (DIDP,DINP,DNOP) Selected Phthalates Group2 (DIDP,DINP,DNOP) EN 14377
30 ポリ臭化ビフェニル類 (PBB類) Polybrominated biphenyls(PBBs) IEC 62321
31 ポリ臭化ジフェニルエーテル類 (PBDE類) Polybrominated diphenylethers(PBDEs) IEC 62321
32 ポリ塩化ビフェニル類 (PCB類)及び特定代替品 Polychlorinated biphenyls(PCBs) and specific substitutes US EPA 3540C
33 ポリ塩化ターフェニル類 (PCT類)  Polychlorinated terphenyls(PCTs) US EPA 3540C
34 ポリ塩化ナフタレン類 (塩素原子3個以上) Polychlorinated naphthalenes
(more than 3 chlorine atoms) US EPA 3540C
35 短鎖型塩化パラフィン類 (C10-C13) Shortchain chlorinated paraffins(C10-C13) US EPA 3540C
36 放射性物質 Radioactive substances US EPA 3052&6020
37 アルミノ珪酸塩,耐火セラミック繊維 Refractory Cerammic Fibres, Aluminosilicate
38 ジルコニアアルミノ珪酸塩,耐火セラミック繊維 Refractory Cerammic Fibres, Zirconia Aluminosilicate
39 ホウ酸 Boric acid US EPA 3052
40 四ホウ酸二ナトリウム無水物 Disodium tetraborate,anhydrous US EPA 3052
41 七酸化二ナトリウム四ホウ素水和物 (四ホウ酸二ナトリウム水和物) Tetraboron disodium heptaoxide, hydrate US EPA 3052
42 三置換有機スズ化合物 Tri-substiituted organostannic compounds EN ISO17353:2004
43 トリブチルスズ=オキシド(TBTO) Tributyl tin oxide(TBTO) DIN 38407-13
44 リン酸トリス(2-クロロエチル)(TCEP)

2-A:評価(3物質)

1 フタル酸ジヘプチル(DIHP) 1,2-Benzenedicarboxylic acid, di-C6-8-branched
alkyl esters,C7-rich (DIHP) EN 14375
2 フタル酸ヘプチルノニルウンデシル(DHNUP) 1,2-Benzenedicarboxylic acid, di-C7-11-branched and linear alkyl esters (DHNUP) EN 14375
3 [4-{ビス(4-ジメチルアミノフェニル)メチイレン}-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン]ジメチルアンモニウムクロリド(別名Clベイシックバイオレット3) 4-[4,4'-bis(dimethylamino)benzhydrylidene]cyclohexa2,5-dien-1-ylidene] dimethylammonium chloride(C.I.Basic Violet 3) -

3-I:情報(3物質)

1 酸化ベリリウム(BeO) Beryllium oxide(BeO)
2 ポリ塩化ビニル(PVC) Polyvinyl chloride(PVC)
3 臭素系難燃剤(PBB類,PBDE類,HBCDDを除く) Brominated flame retardants (other than PBBs,PBDEs, or HBCDD) -
ヘキサブロモベンゼン Hexabromobenzene*1 USEPA 8270D
臭素化ポリスチレン Brominated styrene*1 USEPA 8270D
TBBP-A-ビス TBBP-A-bis USEPA 8270D
テトラブロモビスフェノールA. Tetrabromobisphenol A (TBBPA) DIN53313,IEC62321

③対策
自社製品をJGPSSI対応させるためには、自社製品にJIG物質がどの程度含まれているかを、あらかじめ確認しておく必要があります。このため、いわゆる環境分析の一種としての製品中の化学物質の含有量測定が不可欠であり、測定機を有する外部業者に測定を依頼するのが一般的です。
JIG物質の詳しい含有量を測定するためには、いわゆる精密分析が必要とされています。その測定機・分析機としては、以下に示すように数多くの種類の機器が必要となります。

XRD(X線回折)
GC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析)
GC-ECD/MS(ガスクロマトグラフ//電子捕獲型検出器)
ICP/AES(プラズマ発光分光分析)
IC(イオンクロマトグラフ)
UV-Vis(可視・紫外分光)
PRY-GC-MS(熱分解/ガスクロマトグラフ質量分析)

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