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食品接触材分析・食品法対応について

①食品接触材と各国の規制
食品に接触しうる器具、容器、包装、食品製造機械などのいわゆる食品接触材については、それらから溶出する化学物質で食品を汚染する可能性があります。このため、食品接触材に対しては適切な衛生試験による品質管理が必要になります。最近は消費者の食の安全に対する意識が高まっている一方で、リサイクル品や外国製品など安価ながらリスクの高い食料品が出回るケースが増えており、適切な品質管理がますます重要になってきています。
食器や調理器具をはじめ、食品製造機械など食品に接するものに対しては、各国ごとに厳しい規制が定められています。プラスチック保存容器、食品や菓子の容器・包装、製造加工する機械や包装機器などが対象ですが、これらの材質は、プラスチック、ガラス、陶磁器、金属等と極めて多様です。以下、各国の食品接触材に関する規制の現状について述べます。

・日本
食品に関する器具と容器包装に関しては、食品衛生法(いわゆる食品法)の第18条に基づき、「食品,添加物等の規格基準(昭和34年(1959年)厚生省告示第370号)」により規格が定められています。 国内で製造・販売する製品はこの規格に適合しなくてはなりません。規格はガラス・陶磁器・ホウロウ引き、合成樹脂、ゴム、金属缶など材質ごとに定められています。
なお、乳及び乳製品の器具・容器包装は、上記の370号規格に適合するだけでなく、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年(1951年)厚生省令52号)」の規格にも適合しなくてはなりません。この「乳等省令」の規格は用途や材質ごとに定められており、全般に370号規格よりも厳しい規制となっています。

・米国
米国では、容器包装は間接的な食品添加物としての扱いを受けており、連邦食品医薬品化粧品法(Federal Food Drug and Cosmetic Act, FFDCA)によって規制されています。FFDCAに基づく規格は、連邦規則(Code of Federal Regulations)のTitile 21(21CFR)に定められています。
カリフォルニア州では、FFDCAとは独立してCalifornia Proposition 65のような独自の州内規格を定めているため、その内容を確認する必要があります。

・EU欧州連合
EU欧州連合では、加盟国内で器具・容器包装に関する法律が統合されており、枠組としての総括規則Regulation (EC) No 1935/2004に基づいて、材質や物質ごとに様々な規制があります。
セラミック製品: Directive 84/500/EEC as amended by Directive 2005/31/EC
プラスチック製品: Regulation (EU)No.10/2011 on prastic materials and articles intended to come into contact with food.

これらのEU規則の枠の中で、さらに下記のように各国ごとの国内法が定められています。

ドイツ:LFGB Food and Feed Law § 30 & 31
フランス:French DGCCRF 2004-64 and French Decret no 92-631
イタリア:Italy Official Gazette GU 283 on 30 April 1962 and Ministerial Decree of 21 March 1973

・中国
中国食品容器、包装材料用添加剤使用衛生標準(GB9685-2008)
食品包装材料関連国家標準(GB standard)

・韓国
FOOD SANITATION ACT (FSA)

さて、各国の規制内容は様々ですが、ここでは一例として、欧州総括規則 No.1935/2004の樹脂容器に関する規制内容の概観について紹介しましょう。
この規則は、食品接触材としての使用が許可された樹脂材料を定めたポジティブリスト、容器から食品への成分移行試験内容、食品とその疑似溶媒の分類、マーキング方法等から構成されています。ポジティブリストに載っていない物質を食品接触材に使用することは、2010年1月以降は禁止されました。
成分移行試験については、使用予定の樹脂材料を食品に疑似した酢酸水や油等の溶媒に一定時間接触させて、樹脂から食品への成分移行量を測定します。さらに、予想される食事当たりの成分移行量に関してその成分に毒性が無いかどうかを動物実験により確認しています。このような手順によって、ある樹脂成分が有害であるか否かを判定しています。


②対策
自社製品が各国の食品接触材に関する規制に適合しているかどうかを、あらかじめ確認しておく必要があります。このため、いわゆる環境分析の一種としての食品接触材分析による問題となる物質成分の含有量測定が不可欠であり、測定機を有する外部業者に測定を依頼するのが一般的です。業者によっては、対象とする国の規格に沿った工場監査、容器包装パッケージング等の監査、認証手続きまで代行してくれる場合もあります。

材料中に含まれる各物質の詳しい含有量を測定するためには、いわゆる精密分析が必要とされています。その例としては、国内向けの食品接触材に対する一般的な測定項目である、厚生省告示第370号に準拠した以下のような試験項目があります。

・材質試験
Lead(鉛)、
Cadmium(カドミウム)、
揮発性物質など

・溶出試験
水:過マンガン酸カリウム消費量試験法、
水:蒸発残留物試験、
4%酢酸:重金属、
4%酢酸:蒸発残留物試験、
20%アルコール:蒸発残留物試験等

例えば、溶出試験で抽出した物質を液体クロマトグラフ等で同定し、規制値に適合しているか否かを判断します。

 

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