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重金属含有量分析(成分分析)について

重金属とは、比重が4~5以上である金属の総称であり、アルカリ金属とアルカリ土類金属を除くほぼすべての金属のことを指しています。重金属の中には人体に対して有害な金属を多く含み、その使用が規制されている場合があります。
以下、各国の重金属に関する規制について述べます。

①EU欧州連合

・RoHS指令
EU欧州連合が定めた「電子・電気機器における特定有害物質の使用制限」の2002/95/ECのことを指します。この有害物質使用制限指令は2003年2月に公布され、その後2011年7月に改正されて現在に至っています。重金属では、次の四種類が規制対象です。
鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、水銀(Hg)、六価クロム(Cr6+)。
含有率上限値は、Cd 100ppm、他は1000ppm。
なお、RoHS指令は包装材料については対象としていません。

・ELV指令
EU欧州連合が2000年に定めた「使用済自動車に関するEU理事会指令」2000/53/ECのことを指しており、2003年7月に施行されています。その後、2002年に改訂されています(2000/53/EC)。廃車中の重金属の含有量についての規制であり、対象となる化学物質は、RoHSの重金属と同じ四種類で、含有率上限もRoHSと同一です。
鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、水銀(Hg)、六価クロム(Cr6+)。

・EN71 Part3
玩具に関する規制の改訂版として、新玩具指令(2009/48/EC)が作成・採択され,その実施のための規格「EN 71(Safety of toys/玩具の安全性)Part 3(2013)」が2013年7月に運用開始されました。
この新玩具指令では、規制対象物質が従来の8元素から17元素19物質へと大幅に増加しています。この17元素中の重金属は、カドミウム、3価クロム、6価クロム、コバルト、銅、鉛、マンガン、水銀、ニッケル、スズ、有機スズ、亜鉛の10元素12物質です。

・REACH規制
REACH規則とは、EU欧州連合が人の健康や環境保護のために定めた、「化学物質とその使用の管理に関する欧州連合規則」のことを言います。2007年6月に施行されました。
その規制内容は、登録、評価、認可、制限の4項目に分かれています。登録、評価は年1トン以上の化学物質に適用されています。認可については、高懸念物質(SVHC)に指定された物質は新規な用途への上市が原則的に禁止され、用途ごとの認可と許可が必要です。また、SVHC物質の販売にあたっては、購入者・使用者への情報提供が義務付けられています。
SVHCは最初は2008年10月に15物質が欧州化学機関(ECHA)から指定されましたが、その後何度も追加指定され、2013年2月現在で168物質が指定されています。今後もさらなる追加が予定され、最終的には1500物質になると想定されています。SVHCの中には多くの重金属が含まれています。

・容器包装指令94/62/EC
包装材については2004年改正の容器包装指令「包装および包装廃棄物に関する欧州議会および理事会指令」(EC) No1935/2004に従う必要があります。プラスチックによる包装については、欧州委員会規則 (EU) No 10/2011 (別名PIM) により規制されています。
容器包装指令では、カドミウム、水銀、6価クロム、鉛の4物質の含有量の合計が、1包装単位で重量比100ppm以下と規定されています。

②米国

・包装材規制 
Connecticut州、Maine州、Massachusetts州など19州が合同で包装材に関する州法の雛型を作り、それを各州法で制定しています。
規制対象重金属は、EUの容器包装指令と同一で、鉛、カドミウム、水銀、6価クロムです。規制濃度は、上記規制対象物質の濃度の合計100ppm(重量比)を含有量上限値としています。包装材の定義は、パッキング材、インク、染料、絵の具、粘着材、安定剤等、広範囲にわたります。
州法であり、その州内だけでの効力ですが、米国では物流が発達しているため、特定州が対象でありながら、事実上は連邦法と同様な効力をもっています。

③日本

・食品衛生法
食品衛生法の乳幼児用玩具に関する規制の中に、重金属含有量の上限値が記載されています。重金属以外の物質も含めて以下に示します。

(1)うつし絵
重金属 1ppm以下(Pbとして)
ヒ素 0.1ppm以下(As2O3として)

(2)折り紙
重金属 1ppm以下(Pbとして)
ヒ素 0.1ppm以下(As2O3として)

(3)ゴム製おしゃぶり
亜鉛 1ppm以下
重金属 1ppm以下(Pbとして)
蒸発残留物 40ppm以下

(4)塩化ビニル樹脂塗料
KMnO4消費量 50ppm以下
重金属 1ppm以下(Pbとして)
カドミウム 0.1ppm以下
蒸発残留物 50ppm以下
ヒ素 0.1ppm以下(As2O3として)

(5)ポリ塩化ビニルを主体とする材料 (塩化ビニル樹脂塗料を除く)
KMnO4消費量 50ppm以下
重金属 1ppm以下(Pbとして)
カドミウム 0.1ppm以下
蒸発残留物 50ppm以下
ヒ素 0.1ppm以下(As2O3として)

(5)ポリエチレンを主体とする材料
KMnO4消費量 10ppm以下
重金属 1ppm以下(Pbとして)
蒸発残留物 30ppm以下
ヒ素 0.1ppm以下(As2O3として)

・特別管理産業廃棄物の判定基準(廃棄物処理法施行規則第1条の2)
特別管理廃棄物(燃えがら、ばいじん、鉱さい、汚泥・廃酸・廃アルカリ)に関して、下記の重金属その他の物質に対する許容上限濃度が記載されています。

水銀、カドミウム、鉛、六価クロム、砒素


②対策
自社製品に重金属がどの程度含まれているかが未確認の場合、その製品が対象各国に輸出できない可能性があります。このため、いわゆる環境分析の一種としての、製品中の重金属含有量分析が必要です。さらに種類別の個々の重金属の含有量を測定する成分分析も不可欠です。一般には、測定機を有する外部業者に含有量測定を依頼するケースが多いです。
詳しい含有量を測定するためには、いわゆる精密分析を必要とする場合が多く、その測定機としては、ICP-AES(プラズマ発光分析)、UV-VIS(紫外・可視分光分析)、AAS(原子吸光分析)等が使用されています。

 

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