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ポリ塩化ビフェニル(PCB)について

①ポリ塩化ビフェニルの化学構造と用途
ポリ塩化ビフェニルまたはポリクロロビフェニル (polychlorobiphenyl) は、二つのベンゼン環が結合して形成されるビフェニルの水素原子が塩素原子で置換された化合物の総称であり、一般式 C12H(10-n)Cln (1≦n≦10) で表されます。その略称はPCBです。置換塩素の数によりモノクロロビフェニルからデカクロロビフェニルまでの10種類の化学式があり、置換塩素の位置によって、計209種の異性体が存在します。

油状の物質であり、脂肪には溶けやすいが水には極めて溶けにくい、沸点が高い等の物理的な性質を有しています。また、熱で分解しにくい、不燃性、電気絶縁性が高いなど、化学的に安定な性質を有することから、電気機器の絶縁油、可塑剤、塗料、熱交換器の熱媒体、ノンカーボン紙など様々な用途で利用されてきましたが、現在は日本国内では製造・輸入ともに禁止されています。

②ポリ塩化ビフェニルの毒性
ポリ塩化ビフェニルは慢性的な摂取によって脂肪組織に蓄積しやすい物質であり、人体に対して極めて有害であり様々な症状を引き起こします。発癌性、催奇性があり、また皮膚障害、内臓障害、ホルモン異常を引き起こすことが分かっています。外見的な中毒症状としては、目やに、爪や口腔粘膜の色素沈着、ざ瘡様皮疹(塩素ニキビ)、爪の変形、まぶたや関節の腫れなどが報告されています。

PCBの毒性の強さは、異性体により大きな差があります。発癌性、催奇性の点でダイオキシン類(ポリクロロジベンゾジオキシン、ポリクロロジベンゾフラン)に似た毒性を示すものを特にダイオキシン様PCBと呼んでおり、PCBの健康被害や環境汚染で問題となっているのは、大半がダイオキシン様PCBです。なかでもコプラナーPCB (コプラナーとは、共平面状構造の意味)と呼ばれるPCB異性体の毒性は極めて強いものがあります。
 
PCBが大きく取りあげられる契機となった事件としては、食用油の製造過程において熱媒体として使用されていたPCB が食用油に混入し健康被害を発生させた、1968 年のカネミ油症事件があります。この事件によって、PCBの毒性とそれによる環境汚染が社会問題化した結果、日本国内では1972年以降、PCBは製造されていません。

③ポリ塩化ビフェニルを使用していた製品

(1)絶縁油
トランス用:ビル・病院・鉄道車両・船舶等のトランス
コンデンサ用:蛍光灯・テレビ・電子レンジ等の家電用、直流用コンデンサ
(2)熱媒体(加熱用、冷却用)
 各種化学・食品・合成樹脂工業等の諸工業における加熱・冷却、
船舶の燃料油予熱、集中暖房、パネルヒーター
(3)潤滑油
高温用潤滑油、油圧オイル、真空ポンプ油、切削油、極圧添加剤
(4)可塑剤
絶縁用:電線の被覆・絶縁テープ
難燃用:ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂
その他:ニス、ワックス・アスファルトに混合
(5)感圧複写紙、塗料・印刷インキ
 ノンカーボン紙(溶媒)、電子式複写紙
印刷インキ、難燃性塗料、耐食性. 塗料、耐薬品性塗料、耐水性塗料
(6)その他
紙等のコーティング、自動車シーラント、陶器の彩色、農薬、石油添加剤

④規制内容
2001年7月に「PCB廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」(PCB特措法)が施行されました。ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理のための必要な体制を速やかに整備することにより、その確実かつ適正な処理の推進するものです。PCB廃棄物を保管する事業者は、PCB廃棄物の保管・処分の状況を毎年度自治体に届け出るとともに、2026年度末までにこれを適正に処分しなければなりません。

なお、PCB廃棄物は、PCB濃度等により、高濃度PCB廃棄物と低濃度PCB廃棄物に分類されます。高圧トランス、高圧コンデンサ、業務用・施設用蛍光灯安定器等の高濃度PCB廃棄物は、中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)で処理を行っています。低濃度PCB廃棄物については、環境大臣が認定する無害化処理認定施設及び都道府県知事等が許可する施設で処理を行っています。

2014年6月には「ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画」(環境省)が変更となり、JESCOのPCB処理事業所ごとに計画的処理完了期限が定められました。この処理事業所は全国に五カ所あります。

世界的にも、一部のPCB 使用地域から全く使用していない地域(北極圏など)への汚染の拡大が報告された事などを背景として、国際的な規制の取り組みが始まっており、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs 条約)が2004 年5 月に発効しています。この条約ではPCBに関して、2025 年までの使用の全廃と2028 年までの適正な処分を求めており、我が国は2002 年8 月にこの条約を締結しています。

⑤PCB含有有無の判別方法

高濃度PCBを含むトランス、コンデンサ、業務用・施設用蛍光灯安定器等については、製品の銘版に記載されているメーカー、型式、製造年月等の情報から判別できます。
トランス及び高圧進相用コンデンサでは、国内メーカーで昭和27 年(1952 年)以前及び昭和48 年(1973 年)以降に製造されたトランス及び高圧進相用コンデンサについては、高濃度PCB を使用したものはないと考えられます。また、安定器については、国内メーカーで昭和31 年(1956 年)以前及び昭和48 年(1973 年)以降に製造された照明器具については、PCB 使用安定器を使用したものはないと考えられます。ただし、昭和51 年(1976 年)10 月までに建築・改修された建物には、PCB 使用安定器が使用された可能性があります。

次に低濃度PCB廃棄物に該当する電気機器等に関する判定法ですが、封入されている絶縁油のPCB 分析を行いPCBの有無を確認して判別できます。絶縁油中のPCB含有分析を行った結果、絶縁油PCB濃度が0.5mg/kgを超える場合はPCB廃棄物 (特別管理産業廃棄物)に該当します。
PCBの有無を知るためには、いわゆる環境分析の一種としての絶縁油中のPCB含有量測定が不可欠であり、測定機を有する外部業者に測定を依頼するのが一般的です。
PCBの詳しい含有量を測定するためには、いわゆる精密分析が必要とされています。その測定機としては、GC/ECD(ガスクロマトグラフ/電子捕獲型検出器が一般的に用いられています。

なお、低濃度PCB廃棄物に該当する部品カテゴリーに属していて、日本電機工業会の加盟メーカーで平成3年(1991 年)以降に製造されたコンデンサについては、PCBの汚染がないと言えます。また、日本電機工業会の加盟メーカーで平成6年(1994 年)以降に製造されたトランスで、絶縁油に係るメンテナンス等が行われていないこと、又は、汚染のない油への入替え等が行われていることが確認できれば、PCBの汚染がないと言えます。

 

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フタル酸エステル分析について

①フタル酸エステル類
フタル酸エステル類は、フタル酸C6H4(COOH)2とアルコールが結合して生成されるエステルの総称です。アルコールの種類は極めて多いため、フタル酸エステル類の種類も非常に多くなっています。
高級アルコール系のフタル酸エステルは主に樹脂の可塑剤や成形助剤として多く使用されて来ましたが、ヒトや動物のホルモンに影響を与える内分泌攪乱物質である疑いが強まり、欧州を中心に使用規制の動きが進んでいます。

生産量・使用量が多く、かつ各国で規制されている代表的なフタル酸エステル類を、略号と用途と共に以下に示します。

フタル酸ビス(2-エチルヘキシル) DEHP 汎用可塑剤(電線被覆、壁紙、血液バッグ)
フタル酸ジブチル DBP 加工性向上添加剤 (塗料、接着剤)
フタル酸ブチルベンジル BBP 加工性向上添加剤 (接着剤、シーリング材)
フタル酸ジイソノニル DINP 汎用可塑剤 (電線被覆、壁紙、フィルム)
フタル酸ジイソデシル DIDP 低揮発性可塑剤、絶縁性改良添加剤(耐熱電線、合成皮革)
フタル酸ジノルマルオクチル DNOP 低揮発性可塑剤 (電線被覆、フィルム)

②フタル酸エステル類の有害性と各国の規制

高濃度のフタル酸エステル類に人が曝露された場合、一般的には眼や咽喉の痛みを発症します。
その他の有害性としては、母親の体内のDEHP量と、その母親が出産した男性幼児の生殖器発育不全の間に相関があるとの研究結果が2009年に米国で公表されています。女児の初潮が早まるとの報告もあります。動物実験で白血病を発症したとの報告も存在します。
また、欧州化学機関(ECHA)は、DBP、DEHP、BBPの三物質を「ヒトの生殖能力を損なうことがあるとみなされるべき物質で、十分なデータがある」として、2008年にREACH規則の高懸念物質候補リスト(SVHC)に記載しました。その後、2014年6月までに、さらに10種類のフタル酸エステル類がSVHCリストに追加されました。その追加分の一覧を以下に示します。

・フタル酸ジイソブチル(DIBP)
・1,2- ベンゼンカルボン酸、炭素数7-11の分岐および直鎖アルキルエステル類
フタル酸ヘプチルノニルウンデシル(DHNUP)
・ 1,2-ベンゼンジカルボン酸、炭素数7の側鎖炭化水素を主成分とする炭素数6~8
のフタル酸エステル類、フタル酸ジ-i-ヘプチル (DIHP)
・ フタル酸 ビス(2-メトキシエチル)
・ フタル酸-n -ペンチルイソペンチル
・ フタル酸ジペンチル(直鎖・分枝)(DPP)
・ フタル酸ジイソペンチル(DIPP)
・ フタル酸ジペンチル(DPP)
・ フタル酸ジヘキシル(DHP)
・ 1,2-ベンゼンジカルボン酸、ジヘキシルエステル、分岐および直鎖

SVHCリスト中の物質を一定量を越えて使用する場合には、EU当局への届出義務と使用者に対する情報の提供義務が発生します。
さらに、EU欧州連合が定める電子・電気機器における特定有害物質の使用制限であるRoHS指令でも、最近、DEHP、BBP、DBP、DIBPの四物質が特定有害物質に追加指定されました。2019年7月より、これら四物質の電子・電気機器での使用制限が開始される予定です。

日本国内でのフタル酸エステル類の使用制限は、以下のようになります。

(a)乳幼児向け育児用品・玩具等の用途
この用途での使用制限対象物質はDEHP 、DBP、BBP、 DINP、DIDP、DNOPの六種類です。同様な用途に対する規制は、米国とEUでも既に実施されていますが、2015年現在、米国ではさらに対象物質を増やす動きがあります。

(b)食品用器具・容器等の用途
厚生労働省は、2002年8月に発令した食発第0802005 号によって、「油脂又は脂肪性食品を含有する食品に接触する器具又は容器包装の原材料」にDEHPを使用することを禁止しました。同じ省令で、おもちゃへのDEHPとDINPの使用も禁止しています。

このほかにもDEHPが塩化ビニールの可塑剤として室内の壁紙・床材などに大量に使用されているなど、現在の家屋の室内空気にはフタル酸エステル類が含まれています。これらの物質が、いわゆる「シックハウス症候群」の原因物質の一部を構成しているのではないかとの疑いがあります。北海道大学の調査によると、フタル酸エステルの濃度が高い家屋の居住者は、ぜんそく、皮膚炎、結膜炎等の症状を訴える比率が高いことが明らかになっています。

日本では、この用途での規制はまだ実施されていませんが、EU域内のデンマークでは2014年に規制案が一時的に提出される(のちに撤回)等、今後の規制を強める動きが見られます。

③対策
自社製品にフタル酸エステル類がどの程度含まれているかを、あらかじめ確認しておく必要があります。このため、いわゆる環境分析の一種としての製品中の化学物質の含有量測定が不可欠であり、測定機を有する外部業者に測定を依頼するのが一般的です。
フタル酸エステル類の詳しい含有量を測定するためには、いわゆる精密分析が必要とされています。その測定機・分析機としては、GC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析) やLC/MS/MS(液体クロマトグラフ タンデム型質量分析)が一般的に用いられています。

 

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第四版JIG物質とJGPSSIについて

①JGPSSI
JGPSSIは「グリーン調達調査共通化協議会」の略で、国内の電気・電子機器業界の有志企業により、2001年01月に発足しました。JGPSSIは、電気・電子業界でRoHS指令等の製品に関する環境規制・化学物質規制が強化されてきたことを受け、化学物質調査の対象物質リスト及び調査回答フォーマットを共通化・標準化することで、RoHS指令対応などの化学物質調査にかかる労力を軽減しようという目的でできた組織です。

現在JGPSSIは、従来の調査共通化ガイドランに替わってJIG(ジョイント・インダストリー・ガイドラインの略で、読み方は「ジグ」)を導入しています。JIGとは、JGPSSI、EIA(米国電子工業会)、EICTA(欧州情報通信技術製造者協会)の共同作業で作成された電気・電子機器製品に関する含有化学物質調査のガイドラインであり、JGPSSIとEIA承認の上で発行されました。JIGには、含有化学物質調査対象の化学物質情報はもちろんのこと、情報開示を必要とする濃度(閾値:しきい値)や現行法によるレベル分けされた物質リストなどが掲載されています。

JGPSSIでは、化学物質調査におけるフォーマットをExcelファイルで用意しています。電気・電子業界での共通化を目指し、ガイドライン(JIG)を導入しフォーマットも用意しているのですが、なかなか業界内でも浸透していないのが現状です。なお、2016年現在、JGPSSIのホームページは消去されています。ネット上では、同協議会が2014年に解散したとの情報も散見されるため、別途確認が必要と思われます。

②第4版JIG物質
2005年4月に公表されたJIG第1版(JIG-101 Ed 1.0)に続き、2009年4月に第2版(JIG-101 Ed 2.0)が発行されました。第2版は、DEGITALEUROPE(旧EICTA)の承認を含め、CEA(全米家電協会)、IPC(米国プリント回路協会)、ITI(米国情報技術産業協議会)、JEDEC(米国半導体技術協会)、TIA(米国電気通信工業会)の連名での発行となりました。現在は第4版(JIG-101 Ed 4.0)まで発行されています。

JIG第2版で従来のレベル A、レベルB による物質選定基準の抜本的見直しが行われ、最新の法規制情報などから三つの選定基準として、1-R(現行法規制対象)、2-A(評価対象)そして3-I(報告対象)に整理されました。この結果、第4版では、合計50 種類の物質カテゴリーが改めて選定されています。


1-R:法規制(44物質)

1 アスベスト類  Asbestos NIOSH9000
2 一部の芳香族アミンを生成するアゾ染料・顔料 Azocolourants and azodyes which form certain aromatic amines LFGB82.02.2~4
3 カドミウム/カドミウム化合物 Cadmium/cadmium compounds IEC 62321
4 六価クロム化合物 Chromium VI compounds IEC 62321
5 塩化コバルト(CoCl2) Cobalt dichloride(CoCl2)
6 五酸化二ヒ素 Diarsenic pentoxide US EPA 3052
7 三酸化二ヒ素 Diarsenic trioxide US EPA 3052
8 ジブチルスズ化合物(DBT) Dibutytin compounds(DBT) EN ISO17353:2004
9 ジオクチルスズ化合物(DOT) Dioctyltin compounds(DOT) EN ISO17353:2004
10 ジメチルフマレート(フマル酸ジメチル)  Dimethyl fumarate US EPA 3550C
11 フッ素系温室効果ガス(PFC,SF6,HFC)  Fluorinated greenhouse gases(PFC,SF6,HFC) US EPA 5021
12 ホルムアルデヒド Formaldehyde EN 120
13 ヘキサブロモシクロドデカン(HBCDD) 及びすべての主要ジアステレオ異性体 Hexabromocyclododecane(HBCDD)and all major diastereoisomers US EPA 8270D
14 鉛/鉛化合物 Lead/leadcompounds IEC 62321
15 クロム酸鉛 Lead chromate
16 硫酸モリブデン酸クロム酸鉛 Lead chromate molybdate sulphate red(C.I.Pigment Red 104)
17 ピグメントイエロー 34 Lead sulfochromate yellow(C.I.Pigment Yellow 34)
18 水銀/水銀化合物 Mercury/mercury compounds IEC 62321
19 ニッケル Nickel EN 1811
20 オゾン層破壊物質 Ozone depleting substances US IPA 5021
21 過塩素酸塩 Perchlorates US EPA331.0:2005
22 パーフルオロオクタンスルフォン酸塩(PFOS) Perfluorooctane sulfonate(PFOS) US EPA 3540C
23 2-(2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4、6-ジ-tert-ブチルフェノール Phenol,2-(2H-benzotriazol-2-yl)-4,6-bis(1,1-dimethylethyl) US EPA 3540C
27 フタル酸ジイソブチル(DIBP) Diisobutyl phthalate(DIBP) EN 14375
28 フタル酸エステル類 グループ1 (BBP,DBP,DEHP) Selected Phthalates Group1 (BBP,DBP,DEHP) EN 14376
29 フタル酸エステル類 グループ2 (DIDP,DINP,DNOP) Selected Phthalates Group2 (DIDP,DINP,DNOP) EN 14377
30 ポリ臭化ビフェニル類 (PBB類) Polybrominated biphenyls(PBBs) IEC 62321
31 ポリ臭化ジフェニルエーテル類 (PBDE類) Polybrominated diphenylethers(PBDEs) IEC 62321
32 ポリ塩化ビフェニル類 (PCB類)及び特定代替品 Polychlorinated biphenyls(PCBs) and specific substitutes US EPA 3540C
33 ポリ塩化ターフェニル類 (PCT類)  Polychlorinated terphenyls(PCTs) US EPA 3540C
34 ポリ塩化ナフタレン類 (塩素原子3個以上) Polychlorinated naphthalenes
(more than 3 chlorine atoms) US EPA 3540C
35 短鎖型塩化パラフィン類 (C10-C13) Shortchain chlorinated paraffins(C10-C13) US EPA 3540C
36 放射性物質 Radioactive substances US EPA 3052&6020
37 アルミノ珪酸塩,耐火セラミック繊維 Refractory Cerammic Fibres, Aluminosilicate
38 ジルコニアアルミノ珪酸塩,耐火セラミック繊維 Refractory Cerammic Fibres, Zirconia Aluminosilicate
39 ホウ酸 Boric acid US EPA 3052
40 四ホウ酸二ナトリウム無水物 Disodium tetraborate,anhydrous US EPA 3052
41 七酸化二ナトリウム四ホウ素水和物 (四ホウ酸二ナトリウム水和物) Tetraboron disodium heptaoxide, hydrate US EPA 3052
42 三置換有機スズ化合物 Tri-substiituted organostannic compounds EN ISO17353:2004
43 トリブチルスズ=オキシド(TBTO) Tributyl tin oxide(TBTO) DIN 38407-13
44 リン酸トリス(2-クロロエチル)(TCEP)

2-A:評価(3物質)

1 フタル酸ジヘプチル(DIHP) 1,2-Benzenedicarboxylic acid, di-C6-8-branched
alkyl esters,C7-rich (DIHP) EN 14375
2 フタル酸ヘプチルノニルウンデシル(DHNUP) 1,2-Benzenedicarboxylic acid, di-C7-11-branched and linear alkyl esters (DHNUP) EN 14375
3 [4-{ビス(4-ジメチルアミノフェニル)メチイレン}-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン]ジメチルアンモニウムクロリド(別名Clベイシックバイオレット3) 4-[4,4'-bis(dimethylamino)benzhydrylidene]cyclohexa2,5-dien-1-ylidene] dimethylammonium chloride(C.I.Basic Violet 3) -

3-I:情報(3物質)

1 酸化ベリリウム(BeO) Beryllium oxide(BeO)
2 ポリ塩化ビニル(PVC) Polyvinyl chloride(PVC)
3 臭素系難燃剤(PBB類,PBDE類,HBCDDを除く) Brominated flame retardants (other than PBBs,PBDEs, or HBCDD) -
ヘキサブロモベンゼン Hexabromobenzene*1 USEPA 8270D
臭素化ポリスチレン Brominated styrene*1 USEPA 8270D
TBBP-A-ビス TBBP-A-bis USEPA 8270D
テトラブロモビスフェノールA. Tetrabromobisphenol A (TBBPA) DIN53313,IEC62321

③対策
自社製品をJGPSSI対応させるためには、自社製品にJIG物質がどの程度含まれているかを、あらかじめ確認しておく必要があります。このため、いわゆる環境分析の一種としての製品中の化学物質の含有量測定が不可欠であり、測定機を有する外部業者に測定を依頼するのが一般的です。
JIG物質の詳しい含有量を測定するためには、いわゆる精密分析が必要とされています。その測定機・分析機としては、以下に示すように数多くの種類の機器が必要となります。

XRD(X線回折)
GC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析)
GC-ECD/MS(ガスクロマトグラフ//電子捕獲型検出器)
ICP/AES(プラズマ発光分光分析)
IC(イオンクロマトグラフ)
UV-Vis(可視・紫外分光)
PRY-GC-MS(熱分解/ガスクロマトグラフ質量分析)

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JIG24物質とJGPSSIについて

①JGPSSI
JGPSSIは「グリーン調達調査共通化協議会」の略で、国内の電気・電子機器業界の有志企業により、2001年01月に発足しました。JGPSSIは、電気・電子業界でRoHS指令等の製品に関する環境規制・化学物質規制が強化されてきたことを受け、化学物質調査の対象物質リスト及び調査回答フォーマットを共通化・標準化することで、RoHS指令対応などの化学物質調査にかかる労力を軽減しようという目的でできた組織です。

現在JGPSSIは、従来の調査共通化ガイドランに替わってJIG(ジョイント・インダストリー・ガイドラインの略で、読み方は「ジグ」)を導入しています。JIGとは、JGPSSI、EIA(米国電子工業会)、EICTA(欧州情報通信技術製造者協会)の共同作業で作成された電気・電子機器製品に関する含有化学物質調査のガイドラインであり、JGPSSIとEIA承認の上で発行されました。JIGには、含有化学物質調査対象の化学物質情報はもちろんのこと、情報開示を必要とする濃度(閾値:しきい値)や現行法によるレベル分けされた物質リストなどが掲載されています。

JGPSSIでは、化学物質調査におけるフォーマットをExcelファイルで用意しています。電気・電子業界での共通化を目指し、ガイドライン(JIG)を導入しフォーマットも用意しているのですが、なかなか業界内でも浸透していないのが現状です。なお、2016年現在、JGPSSIのホームページは消去されています。ネット上では、同協議会が2014年に解散したとの情報も散見されるため、別途確認が必要と思われます。

②JIG24物質
2005年4月に公表されたJIG第1版(JIG-101 Ed 1.0)では、業者が開示すべき材料及び化学物質をレベルAとレベルBの二種類に分類しています。

レベルA のリストは、製品や部品に使用された場合に、現行法による以下の三種類のいずれかの規制を受ける15種類の材料と化学物質から成ります。
1) 使用の禁止
2) 使用の制限、または
3) 報告義務、またはその他の規制効果(例:表示)

レベルB のリストは、以下の三種類のいずれかに合致しており開示の必要があると判断される、9種類の材料および化学物質から成っています。
1) 環境、健康、または安全の面から重大な影響がある材料や化学物質
2) 有害廃棄物管理を要求される可能性がある材料や化学物質
3) 使用済み製品処理に悪影響を及ぼす可能性のある材料や化学物質

以上の合計24種類の材料・化学物質を「JIG24物質」と総称しています。以下に具体的な物質名を記載します。

・レベルA
01 アスベスト類 Asbestos
02 一部アゾ染料・顔料 AZO Dyes
03 カドミウム Cd
04 六価クロム Cr+6
05 鉛 Pb
06 水銀 Hg
07 オゾン破壊物質 CFCs,HCFCs,Halon, Broumomethane,CCI4
08 ポリ臭化ビフェニル類 ポリ臭化ジフェニルエーテル類 PBBs PBDEs
09 ポリ塩化ビフェニル類 ポリ塩化ターフェニル類 PolychlorinatedBiphenyls and Terphenyls (PCBs, PCTs)
10 ポリ塩化ナフタレン (塩素原子数が3以上) PCNs (more than 3 chlorine atoms)
11 一部塩化パラフィン (C10-C13) SCCP(C10-C13)
12 放射性物質(U,Th,Ca,St) Radioactive substances(U,Th,Ca,St)
13 トリブチルスズ Tributyl tin (TBT)
14 トリフェニルスズ Triphenyl tin (TPT)
15 トリブチルスズ=オキシド(TBTO) bis(tributyl tin) oxide (TBTO)

「レベルB」
01 アンチモン Sb
02 ヒ素 As
03 ベリリウム Be
04 ビスマス Bi
05 臭素系難燃剤 Brominated Flame Retardants
06 一部フタル酸類エステル DEHP,DBP,DINP,DIDP,BBP,DNOP
07 ニッケル Ni
08 ポリ塩化ビニール PVC
09 セレン Se

③対策
自社製品にJIG24物質がどの程度含まれているかを、あらかじめ確認しておく必要があります。このため、いわゆる環境分析の一種としての製品中の化学物質の含有量測定が不可欠であり、測定機を有する外部業者に測定を依頼するのが一般的です。
JIG24物質の詳しい含有量を測定するためには、いわゆる精密分析が必要とされています。その測定機・分析機としては、以下に示すように数多くの種類の機器が必要となります。

XRD(X線回折)
GC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析)
GC-ECD/MS(ガスクロマトグラフ//電子捕獲型検出器)
ICP/AES(プラズマ発光分光分析)
IC(イオンクロマトグラフ)
UV-Vis(可視・紫外分光)
PRY-GC-MS(熱分解/ガスクロマトグラフ質量分析)

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PFOS/PFOA規制について

①PFOSとPFOA
PFOS (パーフルオロオクタンスルホン酸、又はペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA (パーフルオロオクタン酸、又はペルフルオロオクタン酸)は、共にPFCs(過フッ素化合物、又はパーフルオロ化合物)の一種であり、撥水、溌油、汚れ防止機能を有するため、身近な日用品の成分として広く使用されています。例えば、PFOSは3M 社の汚れ防止用及び耐水用の ”スコッチガード” の成分として、数十年間使われ続けてきました。
また、焦げ付かないフライパンや鍋のコーティングに使用されているフッ素樹脂の一種であるテフロンは、以前は3M社が製造していましたが、現在はデュポン社が製造しています。テフロンそのものは PFOAではないものの、PFOA はテフロン製造プロセスで使用され、テフロン製調理器具が加熱される際に、他の PFCs とともに大気中に放出されます。また、PFOA はテフロン製造工場において、製造時には大気中及び水中に大量に排出され続けています。

最近、PFOSとPFOAについて、人間や動物の血液を汚染する非常に有毒で極めて残留性が高い化学物質である可能性が指摘されるようになり、世界各国でその使用禁止があいついで実施されるようになってきています。
PFOSを長年製造していた3M社は、この問題が大きくなったことを受けて2000年に同物質の製造を中止しました。また、PFOAの自社の製造工程をデュポン社に売却しました。

②PFOSとPFOAの有害性
以下、現在までに確認されているこれらの物質の具体的有害性について述べます。
米国環境保護局(EPA)は、PFOAをすい臓、肝臓、精巣、前立腺、乳腺に関係する発がん物質に分類しました。さらに同物質が男性ホルモン異常、甲状腺機能不全、免疫不全、先天性障害の原因物質であるとの報告も数多く挙げられています。またPFOAとよく似た化学構造を持つPFOSについては、ヒト胎児の発育不全、膀胱がん等の発がん性、甲状腺機能不全等の有害性が疑われています。

PFOSとPFOAはいったん体内に入ると極めて排出されにくい性質を持つため、長期にわたる影響が懸念されます。実際に、ほぼ全ての米国人の血液からPFOSやPFOA、さらに多種類のPFCsが検出されていることが明らかになっています。さらなる問題としては、PFOSやPFOAがいったん体外に排出された場合でも、自然に分解することはなくほぼ永久に環境中に留まり続ける可能性が高いという点が挙げられます。すなわち、人や動物の体内にくり返し再吸収されて、将来も人の健康に被害を及ぼし続ける恐れがあるのです。

③各国の規制状況
PFOS使用規制の動きは国際的に広がっており、2005年に開催されたPOPs条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)の第1回締約国会議(COP1)で、同物質の使用を制限すべきという提案がなされました。その後の2009年のCOP4では、条約の附属書B(制限)へのPFOSの追加が勧告され、代替技術の開発を進めながら将来的に廃絶する方向性が打ち出されました。

米国での規制:米国環境保護局(EPA)は、2002年からPFOSの用途を制限しています。また、2006年に2015年までにPFOAなどの排出量と製品に含まれる量をゼロにするという管理プログラムを公表しました。

EU規制(欧州連合):2006年にPFOSの販売と使用を制限するとの告示を行い、2008年6月からPFOSのEU 域内での販売、輸入、使用の禁止を内容とする欧州規制(2006/122/EC 一部除外あり)が実施されています。その対象製品は以下のようになります。
・PFOS を重量比0.1%以上含む製品・部品・半製品
・PFOSを1μg/m2以上含む布地・塗装材
・PFOSを重量比0.005%以上含む材料及び調剤

日本での規制:2009年に化審法(化学物質審査規制法)を改正し、PFOSを第1種特定化学物質に指定して製造と輸入を許可制とし、事実上禁止しました。PFOSの基準については、環境省の中央環境審議会水環境部会も、「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準」の見直しにあたって対象物質として検討を進めています。また農林水産省は、リスク管理を優先して実施すべき有害化学物質に指定しています。
なお、PFOAについては一般化学物質として、製造及び輸入数量の届出が必要です。

④対策
自社製品にPFOSやPFOASがどの程度含まれているかを、あらかじめ確認しておく必要があります。このため、いわゆる環境分析の一種としての製品中の化学物質の含有量測定が不可欠であり、測定機を有する外部業者に測定を依頼するのが一般的です。
PFOS及びPFOAの詳しい含有量を測定するためには、いわゆる精密分析が必要とされており、その測定機としてはLC/MS/MS(液体クロマトグラフ タンデム型質量分析)が使用されることが一般的です。

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REACH規則と高懸念物質(SVHC)について

①REACH規則
REACH規則とは、EU欧州連合が人の健康や環境保護のために定めた、化学物質とその使用の管理に関する欧州連合規則のことを言います。欧州連合における規則とは、全ての加盟国に於いて即座に効力を発生する、欧州連合が定める法の中で最も強力なもの一つとされ、その内容は各加盟国の国内法に優先するとされています。
REACHと言う略号は、「Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals (化学物質の登録、評価、認可、及び、制限)」の頭文字を並べたものであり、2007年6月1日に施行されました。REACH規則の実施業務については、欧州化学機関(略称:ECHA)が担当しています。
ECHAがその使用を特に懸念している化学物質を、高懸念物質(SVHC:Substances of Very High Concern)と呼んでいます。

②高懸念物質(SVHC)
高懸念物質は、以下のような性質を持つ物質の中でECHAが特に注視している物質です。

(a) 発がん性カテゴリー1、2(指令67/548/EEC)
(b) 変異原性カテゴリー1、2(指令67/548/EEC)
(c) 生殖・発生毒性カテゴリー1、2(指令67/548/EEC)
(d) PBT(Persistent, Bio-accumulative and Toxic)難分解性、かつ蓄積性、かつ有害性。
(e) vPvB(very Persistent and very Bio-accumulative)難分解性と蓄積性が極めて高い。
(f) 上記以外に人健康や環境に重大な影響が起こりうる科学的な証拠があり、(a)~(e)と同等の懸念を引き起こす物質。 例えば、内分泌かく乱物質等(個別に検討)

SVHCは今後、EU域内での使用に際して特別の認可が必要な「認可対象物質」となり得る候補でもあります。そのためSVHCが掲載されているリストを「高懸念物質候補リスト」と呼びます。2016年2月現在、この候補リストには2008年10月掲載の第一次から最新の第14次掲載分まで168個の物質名が記載されています。

参考例として、SVHCリスト中の第一次と第二次の指定物質リストを以下に示します。

・SVHC一次15物質(2008年10月分)
1 ジクロロコバルト(II)
2 重クロム酸ニナトリウムニ水和物
3 五酸化二ひ素
4 三酸化ひ素
5 ひ酸水素鉛
6 ひ酸トリエチル
7 フタル酸ジブチル
8 フタル酸ビス(2‐エチルヘキシル)(DEHP)
9 フタル酸ベンジルブチル
10 アントラセン
11 ビス(トリブチルスタンニル)オキシド
12 ムスクキシレン (musk xylene)
13 ヘキサブロモシクロドデカン (HBCDD)
14 一部塩化パラフィン(C10-C13) (Short Chain Chlorinated Paraffins)
15 4,4′‐メチレンビスアニリン

・SVHC二次15物質(2010年1月分)
1 2,4-ジニトロトルエ
2 アントラセンオイル
3 アントラセンオイル、アントラセンペースト、軽留分
4 アントラセンオイル、アントラセンペースト、アントラセン留分
5 アントラセンオイル
6 アントラセンオイル、アントラセンペースト
7 フタル酸ジイソブチル
8 アルミノケイ酸、耐火性セラミック繊維
9 ジルコニアアルミノケイ酸、耐火性セラミック繊維
10 クロム酸鉛
11 硫酸モリブデン酸クロム酸鉛、モリブデン赤、C.I ピグメントレッド104
12 黄鉛、C.I ピグメントイエロー34
13 2-クロロエチル
14 高温コールタールピッチ
15 アクリルアミド

③認可対象物質
SVHCの中で有害性が明確と判断された物質は、ECHAによって「認可対象物質」に指定され、より厳格な管理が求められることになります。2016年2月現在、61物質が認可対象物質となっています。

④EUの登録制度
EU域内で生産される、又はEU域内に輸入される化学製品に含まれる化学物質が年間1トン以上の場合、別途指定の物質を除いた全ての化学物質について、REACH規則に基づいてEU域内の製造・輸入業者が欧州化学機関(ECHA)のデータベースに登録しなければなりません。1年間の製造・輸入量が10トン以上の場合には、技術文書に加え、化学物質安全性評価(CSA)の結果をまとめた化学物質安全性報告書(CSR)を作成することが必要です。これらの登録がない場合には、EU内での化学物質の製造・輸入は出来ません。
ただし、その物質がその用途のために既に登録されている場合には、この登録を行う必要はありません。

次に、高懸念物質(SVHC)に指定されている化学物質に関しては、次の条件を両方とも満たす場合には、EU域内の製造・輸入業者に届出義務が発生します。ただし、その物質がその用途のために既に登録されている場合には、届出の必要はありません。条件(a)のみを満たす場合には、川下の使用者に対する情報提供義務が成形品の製造・輸入業者に義務付けられています。

(a) 製造・輸入される成形品中に、SVHCが重量比0.1%以上の濃度で存在する。
(b) SVHCが重量比0.1%を超えて含む製造または輸入されたすべての成形品中の総量が、製造・輸入業者当たり年間で1tを超えている。

認可対象物質については、指定された制限条件内以外での製造、輸入、使用は禁止されています。

⑤対策
自社製品にSVHCがどの程度含まれているか未確認の場合、その製品がEU域内に輸出できない可能性があります。このため、いわゆる環境分析の一種としての製品中の化学物質の含有量測定が不可欠であり、測定機を有する外部業者に測定を依頼するのが一般的です。
詳しい含有量を測定するためには、いわゆる精密分析を必要とする場合が多く、その測定機としては、GC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析)、LC/MS(液体クロマトグラフ質量分析)、IA/MS(イオン付着質量分析)、ICP-AES(プラズマ発光分析)、UV-VIS(紫外・可視分光分析)、GC/FPD(ガスクロマト炎光光度分析)等が使用されています。

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RoHS指令とは

RoHS(ローズ、又はロース)指令とは、EU欧州連合が定めた電子・電気機器における特定有害物質の使用制限のことを言います。この有害物質使用制限指令は2003年2月13日に公布され、2006年7月1日以降に上市される製品から適用されており、その後2011年7月に改正されて現在に至っています。当初のRoHS指令(通称RoHS1)は2013年1月2日にて廃止となり、2013年1月3日からは改正後のRoHS指令(通称RoHS2)に置き換わっています。

①目的
EU各国では、廃棄される電子・電気機器の大部分が埋め立てや焼却されており、埋立て場や焼却場からの鉛などの汚染が問題になっていました。このRoHS指令の目的は、このような状態を改善するために、電子・電気機器中での有害物質の使用を制限して人の健康を保護し、かつ、廃棄される電子・電気機器を環境に影響を及ぼすことなく回収・処理しようとすることにあります。また、EU加盟各国間でこの使用制限の基準を統一して運用することも目的としています。

②対象となる製品
 RoHS1が対象とする電子・電気機器の範囲は当初は8種類でしたが、2011年の改正に伴い、新たに「医療機器」、「監視・制御機器」、「その他の電子・電気機器類」の3種類が追加されてRoHS2では合計11種類となりました。この改正の結果、現在では、別途指定された特定製品を除き、実質的にすべての電子・電気機器が対象範囲となりました。ここで、RoHS2の対象から除外される十種類の特定製品とは、軍事用、宇宙用、能動埋込型医療機器、永久設置型太陽光発電パネル等です。

③マーキング制度の追加
 RoHS2からCEマーキング制度が追加され、EUに上市する前に、CEマークの添付、適合宣言書と技術文書の作成・保管が義務づけられています。

④使用が制限される特定有害物質の種類
RoHS2によって使用が制限されている特定有害物質は現時点では六種類です。製品の特定有害物質の含有量には許容濃度の上限が設けられており、その値を越えてはなりません。
ただし、適切な代替手段が無い場合には、例外として一定の範囲内でRoHS指令が適用されない製品群が規定されています。例えば、ブラウン管等のガラス中の鉛、ブザー等を駆動する圧電体中の鉛、小型蛍光灯に含まれる水銀などです。

その許容濃度の上限値も含め、六種類の特定有害物質を以下に示します。

・鉛 0.1% (1000ppm以下)
・水銀 0.1%(1000ppm以下)
・カドミウム 0.01%(100ppm以下)
・六価クロム 0.1%(1000ppm以下)
・ポリ臭化ビフェニル類(PBB類) 0.1%(1000ppm以下)
・ポリ臭化ジフェニルエーテル類(PBDE類) 0.1%(1000ppm以下)

なお、使用が制限される有害物質としてフタル酸系の可塑剤を新たに加えることが最近決定しました。上記の六物質に加えて、2019年7月22日より、下記の四物質の使用制限が製品カテゴリーごとに順次開始される予定です。

フタル酸ジニエチルへキシルBis(2-ethylhexyl)phthalate(DEHP)(0.1%)
フタル酸ブチルベンジルButyl benzyl phthalate(BBP)(0.1%)
フタル酸ジブチル   Dibutyl phthalate(DBP)(0.1%)
フタル酸ジイソブチル Diisobutyl phthalate(DIBP)(0.1%)

⑤罰則
RoHS指令に違反して特定有害物質を上限濃度以上含む製品を上市した場合、その上市した国が定める国内法罰則が適用されます。一例を示せば、ドイツでの違反の場合、「罰金額上限5万ユーロが課される」ことになります。

⑥対策
自社製品をRoHS指令に適合させるためには、自社製品に含まれる特定有害物質の量をあらかじめ調査しておく必要があります。調査方法としては、現行の六種類の有害物質についてはICP分析(精密分析)が一般的です。これは物質に高電圧をかけてプラズマ化し、その発光スペクトルから含有元素の同定と定量を行う分析法です。
なお、精密分析よりも分析精度は劣りますが、有害物質の大まかな含有量を安価に調べる方法として蛍光X線分析(簡易分析)があります。
これらの分析を専門とする業者は国内に多数あり、自社で分析設備を持っていなくても、これらの業者に依頼することで自社製品のRoHS適合性を確認することが出来ます。

⑦ELV指令について
RoHSと同様に、EU欧州連合が環境保護のために特定有害物質の使用を制限している制度としてELV指令があり、この指令の場合には、対象製品は自動車およびその部品となっています。ELV指令は2000年10月1日に施行され、2003年7月1日以降に販売される新車から適用されています。
ELV指令においても、RoHS指令と同様に特定有害物質とその許容濃度の上限が定められており、以下の四種類がELV指令での特定有害物質とその許容濃度の上限値です。

・鉛 0.1% (1000ppm以下)
・水銀 0.1%(1000ppm以下)
・カドミウム 0.01%(100ppm以下)
・六価クロム 0.1%(1000ppm以下)

ELV指令を順守するためには、自社製品の特定有害物質の含有量を把握しておかなければなりません。この分析(ELV分析)のための測定器はRoHS指令に対応する精密分析・簡易分析の測定機と同一であり、RoHS対策と同様に外部業者に測定を依頼することが出来ます。

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